〒459-8001 名古屋市緑区大高町鶴田167-2
JR東海道本線 大高駅から徒歩5分
知っているようで知らなかった~という、みなさまの疑問をQ&Aでご紹介します。どうぞ参考にしてください。
認知機能とは、記憶・判断・見当識(場所や季節や日時など)・理解・計算・学習・言語などの機能のことをいいます。脳は、こうした機能を
使い様々な情報処理を行っているんですね。認知症になると、こうした機能がスムーズにはたらかなくなって、生活がしづらくなっていくんで
す。レジでお釣りの計算や硬貨を組み合わせて出すことが難しくなる・今いる場所がわからなくなる・今の季節がわからなくなる・言葉の意味
や慣れ親しんだ物の使い方がわからないということもあります。
また、料理の手順や自動車の運転の手順など、それまで、特に考えなくても当たり前にできていたことなどが、ひとつひとつ考えないとできな
くなるということもあります。
つまり、認知症とは、何らかの病気が原因で、脳の機能(はたらき)が低下することにより、日常生活に支障をきたす状態をいいます。
例えば、脳梗塞などの後遺症で現れる脳血管性認知症は、脳の血流が障害された部位によって脳機能の低下する場所が違いますので、物忘れ
(記憶の障害)が目立つ方や、あまり目立たないけれど他の脳機能が低下している方など状態には個人差があります。
また、レビー小体型認知症のように物忘れというよりは、幻視(小動物や人などがありありと見える)や自律神経症状など、多様な状態が見
られる認知症も、最近は診断はされることが増えているようです。
認知症になる原因の病気には、70種類以上もあると言われています。一般的に治らないと思われている認知症ですが、原因となる病気によっ
ては治療が可能なものもあるということですので、「認知症かもしれない」「なんだかいつもと様子が違う」こういったことに気づいたら、早
めに専門医を受診し、原因を診断していただくことをお勧めいたします。
◇身近なもので認知症のように、物忘れや意欲の低下などが見られるものとして“うつ状態”があります。
年齢問わずですが、特に高齢になると喪失感を感じることが多くなります。友人が子供さんとの同居や施設入所などで転居されたり、亡くなら
れることも増えます。また、日々の生活の中では、何もすることがない=役割の喪失などもあります。「若さ・美貌の変化」も、人によっては
大きな喪失感につながることがあるようです。
“うつ”の状態は、医師の指示による内服薬や周りの人の理解によって改善する可能性がありますので、やはり、認知症なのかどうかを早めに
診断していただくことが大切になります。
どのような病気の場合でも、確定診断を受けるのは怖い気がしますね。その結果、手術や投薬治療が始まるのも楽しくはありませんが、ただ、
それによって健康が維持できる。病気が治る。趣味活動を楽しめる。となったら、少々つらいことでも受け入れると思います。
では、認知症の場合はどうなのでしょうか?前のQ&Aでもご紹介しましたが、治療の可能な認知症があります。正常圧水頭症・ビタミンB12
欠乏症・慢性硬膜下血腫 など 手術や投薬治療で改善するものもあるようです。どのような病気であっても、治療の開始は早い方がいいの
だと思います。そのためには、早期の受診が必要になるんですね。
以前、NHKの「ドクターG」という番組の中で、こういった病気を紹介していました。
タイトルは「何かおかしい」です。ちょっと気になり観たところ、とある女性議員さんがとても精力的に活動している矢先に、まるで突然認知症になったかのように、人の名前を覚えられない・思い出せない・道路をふらふら歩くなどといった状態になり、急に車いすに乗るようになってしまったそうです。秘書の方が慌てて病院に連れていき診察していただいたのですが、初めはなかなか原因がわからず。そうこうしているうちに、既往歴がわかり(一人暮らしなので情報が始めはなかったそうです)そこから推察して、ビタミンB12が欠乏することにより、認知症のような状態になっているという診断に至ったということでした。TVの再現で見る限り、あたかもアルツハイマー型認知症になったような状態でした。その後、投薬治療によりずいぶん回復したという内容でした。
治療可能な認知症には、胃の全摘手術によりビタミンB12欠乏症になり、あたかもアルツハイマー型認知症のような状態になる。こういったものもあるんだと私も勉強させられました。
認知症、特にアルツハイマー型認知症そのものは、急に悪化することはありませんので、「なにかおかしい」と気づいたら、迷わず受診をしていただき、なぜ、状態が急に変わったのかといった原因を診断していただくことをお勧めいたします。